【おひとりさま老後移住】都会・地方どっちがいい?メリット・デメリットを徹底解説

老後は地方に移住してのんびりと暮らしたい…と思うことはありませんか?リモートワークの普及により、地方への移住やワーケーションが身近になりました。テレビやYoutubeですてきな田舎暮らしの様子が映し出され、その生活に憧れることも。
地方に移住すれば、住居費や生活費も安くすみそう…、都会に比べて誘惑も少ないし、自然豊かな場所で暮らせれば、心も穏やかに過ごせるような気がします。

わたしも地方から都会に出てきたので、田舎暮らしの良い面も悪い面も見てきました。
そこでこの記事では、おひとりさまの老後における、都会の暮らしと地方の暮らしのメリット・デメリットを解説します。
この記事を読めば「都会に住み続けるべきか、地方に移住するか」を検討し、老後の生活に向けて準備することができます。
都会・地方どっちがいいかは、どんな老後生活を送りたいかにもよりますが、地方への移住を老後の選択肢のひとつとして考えてみる価値はありそうです。

移住の相談をする人が過去最多に
総務省の調査(令和3年度における移住相談に関する調査結果)によると、各都道府県及び市町村の移住相談窓口等において令和3年の相談件数は過去最多になりました。
それほど、移住に興味をもつ人が増えたということになります。以前は男性の方が移住に興味を持つ人が多かったのですが、最近では女性の相談者も増えて、ほぼ半々くらいに迫ってきています。
また、老後の選択肢として地方へ移住を検討する人も増えています。おひとりさまの老後に地方移住はありかなしか考えてみたいと思います。
都会暮らしと地方暮らしの比較
都会暮らしと地方暮らしのいいところ不便なところを比較してみました。送りたい生活によってメリットになるかデメリットになるかは人それぞれです。
比較 | 都会暮らし | 地方暮らし |
---|---|---|
住居費 | 都市部になるほど高くなる | 賃貸でも分譲でも安い |
生活費 | 物価が全体的に高い | 車関係の費用・寒冷地の場合は光熱費が上がるため意外と高い |
求人数 | 働く場所が多いので比較的仕事を見つけやすい | シニアになると都市部に比べて働ける場所が少ない |
交通の便 | 公共交通機関が充実しているので車は不要 | 公共交通機関が不便なので車が必要 |
ご近所付き合い | なくても大丈夫 | 非常に重要 |
趣味などの楽しみ | エンタメや趣味のスクールなどが豊富 | 自然が好きは野菜作りや散歩を楽しめる |
都会暮らしのメリット
交通の便が良い
都会に住んでいると基本的に車は必要なく、どこへ行くにも電車やバスなどの公共交通機関で行くことができます。仕事や遊びに便利なのはもちろん、老後必ず必要になる病院の通院にも都市部であればそう遠くない場所に通うことができます。
求人が豊富
これからシニアを迎えるわたしたちは60歳で年金暮らしというわけにはいきません。年金支給は65歳になり、支給額も減ってしまいます。仕事が見つけにくい60歳以降も働くためには、求人の多さは都会の魅力の一つと言えます。
老後の楽しみが豊富
都市部には、映画や演劇などのエンタメや趣味のために通うスクールなどが豊富にあります。また、居酒屋でお酒を飲んだり、喫茶店でモーニングを食べたりなども老後の楽しみの一つです。そのような楽しみが豊富にあるのも都会の魅力ですね。
地方移住のメリット
住居費が安い
首都圏で暮らしていると部屋は狭いのに家賃は高い。固定費の大部分を占める住居費を抑えられれば、その分、貯蓄なり投資なりに回したいところです。
賃貸で借りられる住宅は地方では少ないですが、住宅を購入する場合は首都圏に比べるとかなり費用を抑えられます。「空き家バンク」などから検索すれば、500万くらいでも十分な広さのおうちがゴロゴロ見つかります。
建物自体は古いものも多いですが、このあとの「自治体の支援制度」などで改築費を支援してくれたり、タダで家が手に入る制度もあったりします。
自治体の支援制度
地方では移住者を応援する移住支援制度を行っている自治体も少なくありません。年齢制限や10年以上の定住など条件がありますが、住宅の新築・増築・改築を行う場合、その経費の30%(上限500万円)を補助してくれる自治体や、○年以上住めば住宅と土地を無償で譲渡してくれる自治体も。
もちろんファミリーで移住する場合は子育て支援なども充実していますし、移住を悩んでいる人に対して「定住体験住宅」などで、短期間移住を体験できる自治体などもあります。
自治体によっていろいろな制度があるので、気になる方は検索してみるとお得に地方移住をスタートできるかもしれません。
人とのつながり
学生時代の友人や職場での仲間では出会えないような、職業や年齢の異なる知人・友人に恵まれます。これまでの人間関係とは違う新しい経験もでき、それが仕事や趣味につながることも少なくありません。
特におひとりさまの場合、地方移住にあたって地元の人々とのつながりは何より大事です。地元のコミュニティで助け合いながら生きていかないとなりません。
老後は自由な時間も増えるので地域のコミュニティには積極的に参加して、近所の人たちとおしゃべりして暮らす方が、認知症防止や健康にもよいでしょう。
自然環境の豊かさ
自然が豊かな土地できれいな空気を吸って生活できる、これ以上の贅沢はないかもしれません。
海や山の近くであれば散歩をしているだけでも気持ちがいいものです。畑や庭で野菜を育てて収穫するのも田舎暮らしの醍醐味ではないでしょうか。

地方移住のデメリット
生活費はそこまで安くない
住居費が安いことがメリットでしたが、生活にかかる費用はもしかしたら今まで以上にお金がかかるかもしれません。地方で暮らすとなれば、当然、車が必要になりガソリン代はかなりかかります。
食費についても外食は減るかもしれませんが、地方のスーパーは思っているほど安くはありません。とはいえ、首都圏と異なりスーパーをはしごできるほど店舗数があるわけではないので、高くてもそのスーパーで買うしかないのです。
また、住む場所にもよりますが、寒い地域であれば冬の電気代・灯油代は今までより数万単位で費用が掛かることを覚悟しておいた方がいいです。
人とのつながり
メリットであったはずの「人とのつながり」。メリットでお伝えした通り、地方では地元のコミュニティで助け合いながら暮らしていく必要があります。
ご近所さんから野菜をもらえたりすることもあるかもしれません。でも、野菜をもらっておいて自分は何もしないわけにもいきません。もちろんお礼は必要ですし、地元でイベントがあればお手伝いしたり、近所で困っているお年寄りがいれば手助けすることだって必要です。
わたしは自然豊かな場所で暮らしたいだけで、別に近所付き合いをしたいわけではない、という気持ちも分からなくはないですが、それでは地方で楽しく暮らしていくのは難しいかもしれません。ずっと都会で暮らしてきた人には、人とのつながりはわずらわしく感じることもあるかもしれませんね。
ただ、必ずしも「おひとりさま」にこだわる必要もありません。移住してから仲間を見つけることはもちろんですが、パートナーを探してもよいのではないでしょうか?

交通が不便
地方では公共の交通機関があまりないので、買い物など車での移動が必須となります。歳をとれば車の運転には不安を感じますし、病院に通院しなくてはならないこともあるでしょう。
元からその土地に住んでいた高齢者であれば、家族やご近所さんの手を借りて病院まで連れて行ってもらったりできるかと思いますが、おひとりさまの移住者はそうもいきません。車の運転ができず、交通が不便な土地に暮らしていた場合、病院に行くのも一苦労です。
若いうちは地方で住んでいても車で移動できるので問題ないですが、老後のことを考えるとかなり不安になりますね。
求人が少ない
移住してリモートワークができるうちはいいですが、途中で仕事を辞めてしまった場合や、定年後仕事を探す場合などは、首都圏に比べて圧倒的に求人が少なくなります。
歳をとればとるほど、ハローワークなどで求人を見つけることが難しいので、やはり地元のコミュニティを大切にして、知り合いに仕事を紹介してもらうなどが必要になるかと思います。
田舎暮らしを体験
民泊・農泊など、日本の個性的な宿が見つかる予約サイト 『STAY JAPAN』
まさに田舎暮らしを体験できる旅の予約ができるサイトです。古民家や別荘はもちろん、農家やお寺、さらに城などの文化施設に泊まれるプランがあります。
農業・林業・漁業が体験できる宿もあり、大きなホテルや旅館への宿泊では分からない地域の良さを感じる事ができます。地元の方とのコミュニケーションも取れるので、移住を考えていることをお話すれば、アドバイスをもらえるかもしれません。実際に移住者を紹介してもらえれば、体験者の話を聞くこともできます。
移住先の候補としている土地に何度も通って、顔見知りができると心強いですね。
無農薬野菜作りを楽しむことが出来る「畑のレンタルサービス」【シェア畑】
地方に移住したら、畑や庭で野菜作りを楽しみたいと思いませんか?でも、畑で野菜ってどうやって作っていいのか分からないし、実際移住してからできるかどうか分からない…
そんな方におすすめなのが、「畑のレンタルサービス」です。農具や苗、必要な資材などを持っていく必要がなく手ぶらでOK。栽培方法などアドバイスをもらえたり、講習会を受けることができたりとバックアップ体制もばっちりです。
電車で通える都心近くの畑もあり、週1回程度通えば大丈夫なので、働きながらの趣味にもぴったりです。
まとめ
いいことだらけで憧れの暮らしのように感じます。リモートワークが可能なら、通勤もなく職場でのわずらわしい人間関係でストレスもありません。家族での移住であれば、そんな生活も家族で協力しながら楽しむことができそうです。
おひとりさまの場合はどうでしょうか。
交通の不便さは、老後を迎えるにあたって不安を感じますが、買い物はネットスーパーもあるので、そこまで不便はないかもしれません。
また、移住先のコミュニティに上手く馴染めればいいのですが、そうでない場合、職場の人間関係のわずらわしさは無くなっても、ご近所さんとの人間関係が上手くいかなければ、もっとストレスを感じそうです。
テレワークでワーケーション可能な人は若いうちから地方移住を試してみてもいいのではないでしょうか?地方での暮らしが思ったものでなかったら、戻ってくるなり他の地方に移住すればいいのです。