おひとりさまで認知症になったら?
おひとりさまでせっかく頑張って老後の資金を準備していたのに、認知症になってしまったらどうすればいいのか…、ひとりで暮らしていくことは不可能なのか…、詐欺にあうのではないか…、不安なことだらけです。
65歳以上の高齢者のうち認知症の有病率は、2020年では17%程度だったものが、2025年には20%程度まで増えると推定されています。
認知症が進行してからでは、あらゆる手続きが自分ではできなくなってしまう可能性があります。わたしは40代なのでまだ早い気もしますが、親のこともありますので、認知症を早期発見できるように、今のうちに知っておくとよいことや準備が必要なことを調べてみました。
自分の認知症に気付くには
認知症はとにかく早期発見が大事です。認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)なら回復する可能性もあります。とはいえ、おひとりさまが自分の認知機能が低下したことに気付くのはなかなか難しいようです。
自分の認知症に気付くためにはセルフチェックと、異変に気付いてもらえる人間関係、かかりつけ医の存在が重要になります。
セルフチェック
「着替えるのが面倒になってパジャマのまま過ごすことが多くなった」「知人の名前が出てこなくなった」「財布や鍵の置き場所が分からなくなることが頻繁にある」など、もの忘れとはちょっと違うなと感じたら、かかりつけ医に相談して、もの忘れ外来などで調べてもらのがよさそうです。
どうしても認知症と認めたくないため、病院の受診までに時間がかかりがちですが、予防の意味でも躊躇せず診てもらえるようにしておきましょう。
ご近所や習い事などの人間関係
おひとりさまは、引きこもってしまうと人とのつながりが無くなってしまいます。人とのコミュニケーションは認知症予防にもなりますし、なにより自分になにか異変が起きたときに気付いてもらうことができます。
高齢者になったら、習い事でも地域交流でもよいので積極的に外でコミュニケーションを取るように心がけたいです。
かかりつけ医
かかりつけ医とは、体の不調を全般的に相談できる医師のことを言います。なにか体に不安があったとき、いきなり大学病院のような大きい病院で診てもらうと初診料が非常に高いので、必要なときには専門外の医師や病院に紹介してもらえるかかりつけ医がいいでしょう。
かかりつけ医は、地元の通いやすい病院で認知症や骨粗鬆症などの老年医学に精通している内科医がいいそうです。まずは風邪や予防接種などで受信してみて、自分に合う話しやすい医師を探してみましょう。
地域包括支援センターを利用しよう
地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターとは高齢者福祉と介護保険サービスの相談・調整・手続きを行う地域の総合窓口です。認知症に限らず医療や介護、日常生活支援など相談が可能です。自身がお住いの地域包括支援センターを利用することができます。
地域の医療や介護サービスの内容・種類や手続きの相談はもちろん、認知症になる前でも無料で相談が可能(紹介されたサービスを利用する場合は費用がかかります)。認知症になったときにどのような医療やサービスを受けたいか希望を伝えておくことができます。また、民生委員やボランティアに定期的に訪問してもらえれば、認知症の初期段階に気付いてくれるでしょう。
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)シートの活用
認知症で意思決定ができなくなった場合に、希望する医療やサービスなどを記載しておくことができます。ACPシートは役所や医療機関などで無料でもらえたり、インターネットで検索すればダウンロードもできるので、いざというときのために準備をしておくとよさそうです。
記入したACPシートは、家族がいるなら家族に、おひとりさまであればかかりつけ医などに共有しておきましょう。先ほどの地域包括支援センターへ相談に行く時は、事前にACPシートを準備しておけばスムーズに相談できますね。